vol.20 - No.06 (2018年6月15日)
コブハクチョウのヒナは生後4週間、みな元気に育っています。しかし、ヒナを狙う動物は多く、そのため撮影に出かけるたびに今日は会えるかなと心配になります。一番心配したのは、親2羽だけが湖を泳いでいる姿を見たときです。巣のある所から500mほど離れた湖の向こうからコブハクチョウの夫婦が巣の方に向かって泳いできたのですが、ヒナたちを連れていません。ヒナは3羽とも襲われて・・・と思ってしまいました。気を落としながら帰る準備を始めたのですが、あきらめきれず、もう一度巣の近くの湖を眺めました。すると、何と、巣の前の湖で2羽の親鳥のまわりを3羽のヒナが泳いでいるではありませんか。推測ですが、まだ生まれて日の浅いヒナを連れて遠出をすることを避け、どこかにヒナを隠してじっと待たせていたのでしょう。「ここでじっと待ってなさい。言うことを聞くのよ。」と告げたかどうかは分かりませんが、ヒナだけで泳いでいたということはなかったので、草むらの中にじっとひそんでいたことは間違いないと思います。生まれながらに備わっている本能なのかも分かりませんが、自然の中でくらす生き物たちの素晴らしい一面を見た思いがします。今思えば、親たちが巣に戻るまで動かずにじっと見ていれば、ヒナを呼び寄せる素晴らしい光景を撮影できただろうにと悔やまれます。
今回は、そのコブハクチョウの2回目です。すでに予告済みですが、ヒナが孵化し、その後3週間のようすを紹介します。