vol.18 - No.23 (2017年3月1日)
新緑のころはだれもが山の美しさを実感すると思います。新緑の時季はまだ先ですが、木々たちは2月のうちから少しずつ色を変えています。芽が膨らみ始めるのにつれて、落葉樹の林や山の色が日に日に変化していきます。もちろん若葉の緑も好きですが、私は少しずつ緑がかっていく山の淡い色に美しさを感じます。温度によって色が変わるサーモインクのように、暖かくなる気温の変化を受けて山の色が変わっていくようすを見ると、気持ちまで暖かくなります。やっと生き物が活気づく春になるのかと思うと、固くなっていた体の力が少しずつ抜けて、ゆったりとした気持ちになるのです。日差しも確実に強まり、風さえなければ晴れた日の野山は心地よさを感じさせてくれます。木々の芽吹きや開花に出会うために外に出かけるのも、だいぶ楽な時季となりました。
さて今回は、オオオナモミを紹介します。冬によく見かける茶色く枯れた草花(ワイルドフラワーと呼ばれる)の中でも、ひときわ存在感があります。