vol.18 - No.18 (2016年12月15日)
今年もあとわずか、半月で新しい年に変わります。とはいうものの、それは人間が決めた暦の上でのことなので、自然の生き物たちにとっては「それがどうした」というところでしょう。多くの生き物たちは、日照時間や気温の変化を受けて姿を変えていきます。そうした生き物たちにとっては、昼間が最も短い時から日が長くなり始める境目、冬至の日が新年のスタートとなるのかもしれません。ただ、いろいろと考えると複雑になります。東京では、日の入りの時刻が4時28分と一番早いのは12月の初め、日の出が6時51分と一番遅いのは1月の上旬です。このようなずれがあるため、単純に決めるのはなかなか難しいのかなとも思います。また、昼間が長くなって日照時間がのび始めても、すぐに暖かくなるわけではありません。生き物にとっては暖かくなることのほうが重要です。これからは暖かくなるだろうと感じた時を新しい年のスタートと考えたほうがよいのかもしれません。早く昼間が長くなってほしいと思う私としては、昼間の短い12月が早く終わってほしいものだと思ってしまいます。しかし、生き物たちにとっては、この時期も大切な期間なのでしょう。そんなことを考えながら、年が明けて暖かくなる日が来るのを心待ちにしています。
さて今回は、寒い冬を蛹で乗り切る昆虫の中から、クロメンガタスズメが蛹になるときのようすを紹介します。