vol.17 - No.15 (2015年11月1日)

人は名前をつけて色々なものを識別します。また名前を知ることで相手を知り相手との関係を持つようになります。そのため人は、新しく生まれたもの、新しく発見したり作り出したりしたものに名前をつけます。そして名前には、そのものに対する思いをこめます。人に名前をつけるときには、その思いはいっそう深く強いものになります。ですが最近、人の名前のつけ方やその思いが大きく変化してきているように感じます。響きのよさだけを考えて意味不明な文字を組み合わせた名前、思いをこめすぎて難解な名前、どうにも読めない当て字の名前、正しく読まれずいつも他の呼び方をされてしまう名前、洋風な響きの名前に漢字を当てはめた和洋折衷の名前、どこの国の人やら分からない名前など多種多様です。そのため、正しく読んであげるために苦労することが多くなりました。そうした中で、絶対にやめてほしいことがあります。それは、悪意を持って名前をつけることです。ところが、身近な植物の中には、何でそんな名前をつけたのだろうと思うような名前の植物があります。ヘクソカズラやハキダメギク・ママコノシリヌグイといった名前の植物です。色々な思いがあるとは思いますが、もう少し親しみのある名前をつけてあげたいと思ってしまいます。

さて今回は、屁(へ)と糞(くそ)という名前をつけられてしまったヘクソカズラが育つようすを紹介します。