vol.17 - No.24 (2015年6月15日)

毎日の平均気温を累積したものを積算温度といいます。気温が高くなる状態を感じとって動植物が成育することを利用し、積算温度から成育の行方を予測することができます。今年は5月の気温が高かったので生き物たちの成育が早まったようです。いつもの年なら6月になって孵化するスズムシが、今年は5月の末から孵化し始めました。例年と比べて今年だけ少しズレたというのであれば、さほど問題にはならないでしょう。ですが、どこかにひずみができているのだとすると、ある生き物だけが異常に増えたり、または生きていけない状態に追い込まれる生き物が出てきたりと、生態系に影響を及ぼす心配があります。生き物は、他の生き物や次の季節との関係、梅雨や台風といった気象現象など、さまざまな関わりの中で生きています。気温や気象の変化に人間が大きく関わっていること思うと、もっと多くの人々に、こうしたことへの意識を向けてもらいたいと思います。

さて今回は、オカメコオロギの2回目です。成虫のようすを中心に紹介します。