vol.16 - No.14 (2014年10月15日)

9月と10月は、ミツバチにとって受難の時です。多くの生き物にとって冬を越す準備は大変な作業ですが、ミツバチの場合は、そのほかに群れの存続が危ぶまれるほどの出来事が起こります。それはスズメバチの襲撃です。オオスズメバチやスズメバチなどに襲われるのが毎年の常なのです。スズメバチたちはこの時期、子育てのためにミツバチをさらっていきます。ひんぱんにミツバチの巣箱を訪れ、ミツバチを捕らえては巣に持ち帰ります。1匹のスズメバチが1匹のミツバチをさらっていくのであれば被害はそれほど大きくないのですが、オオスズメバチは時として豹変し、ミツバチをさらうことから殺すだけの行動に出るのです。それによってミツバチたちは二千三千とかみ殺されてしまいます。巣箱の前にはミツバチの死体の川ができるほどです。数回の襲撃を受けるだけで、ミツバチの群れは全滅してしまいます。そこで私は、わなを仕掛けたり、ときにはスズメバチをたたき落としたりと、ミツバチを守るために毎年大変な思いをしています。ところが今年はちょっと違います。オオスズメバチの来襲が例年と比べて10分の1以下なのです。ただ、1匹ずつさらっていくスズメバチは例年より多いようなので、時間を見つけてはバトミントンのラケットでスズメバチをたたき落としています。1時間で最大86匹を退治、そんな仕事ももう少しで終わります。

さて今回から2回に分けてギンヤンマが羽化するようすを紹介します。最初は羽をのばす前までのようすです。