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O君

どのような仕事をしていますか。

数学の計算や図形の性質を使うパズル,漢字のパズルなど,いろいろなパズルを制作して,本にまとめたり,新聞や雑誌などに提供したりしています。

インタビュー
資料0

著書には,パズルのほかに,論理的思考に関するものもある。

O君

どうしてこの仕事についたのですか。

私はもともと,ウェブデザイナーになりたいと思っていました。
パズルを制作するようになったのは,デモサイトやサイト作成の練習のためのサイトにせるネタを探していたのがきっかけです。
ネタがたくさん用意できて,自分にもできるものが何かないか考えていたときに,パズルに行きつきました。
初めはデモサイトのためでしたが,だんだんパズル作成のらいが増えてきて,この仕事をするようになりました。

デザインなどの見本となるウェブサイトのこと。

インタビュー
O君

仕事のやりがいはどんなところですか。

制作したパズルを通して,たくさんの人に楽しさを提供したり,考える力の向上に役立てたりすることです。
「面白かった」とか「ためになった」という声が聞けると,とてもうれしくなります。そのように楽しんでもらえるようなパズルをつくり続けたいと思います。

インタビュー
O君

仕事の大変なところはどんなところですか。

制作したパズルをしょせきにしたり,記事に載せたりするときに,ちがいがないよう,一問一問しらみつぶしにチェックをするのが大変です。
漢字の穴うめパズルなどは,答えが複数ないか,辞書をひいて調べます。

インタビュー
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□に入る漢字を見つけるパズル。
左の問題は,答えとして「水」が入りそうだが,辞書で調べると「雨氷」「着氷」「ひょうしょう」「氷温」という言葉があり,「氷」でもあてはまる。

O君

私たちが楽しんでいるパズルには,パズル作家の方の苦労がかくれているんですね。
一人でパズルの答えをチェックするのは大変ではないですか?

たくさんの人が見る新聞などにけいさいするパズルは,間違いがあると大変なので,家族にチェックを手伝ってもらうこともありますよ。

インタビュー
O君

そうなんですね。
ほかにも,パズルを制作するうえで,大変なことや苦労していることなどはありますか。

パズルを解く読者の層によって,難易度の調整をするのも大変です。
問題自体の難易度や問題の種類,ヒントの量などを,パズルを掲載するばいたいごとに変えています。

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O君

仕事のなかで,図形の証明と同じように,すじ道を立てて考える場面はありますか。

パズルの制作のしかたにはいろいろあり,問題の設定を決めてからつくり始める場合もあれば,答えを決めてからつくり始める場合や,解くために必要な手立てを決めてからつくり始める場合もあります。答えを決めてからつくり始める場合は,図形の証明とよく似ていて,どのように考えていけばその答えにたどり着けるかを,すじ道を立てて考える必要があります。
手立てを決めてからつくり始める場合も,その手立てを使うことでどのような答えにたどり着けるかを,すじ道を立てて考える必要があります。
試行さくしながら,自分がもっている知識を使って,答えにたどり着くまでの過程を組み立てていくところが,数学の証明と同じで面白いところだと思います。

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ノートやパソコンにアイデアを書き出す。

O君

北村さんのつくるパズルは,図形を使ったものなど,ずばり数学や算数の知識そのもののものもたくさんありますよね。

そうなんです。そして,それらのパズルの制作には,みなさんが数学の授業で学んでいることもたくさん生かされています。
数のパズルをつくるときや,その答えを確かめるときは連立方程式をよく使いますし,論理パズルをつくるときには確率を使うこともあります。
たし算・ひき算・かけ算・わり算は絶対に使いますね。私自身は,算数・数学とパズルの境界線はないと思っています。
ただし,あくまでパズルは楽しむものなので,数学の問題のような聞き方は避けて,パッと見てすぐに取り組めるようなものになるよう,心がけています。

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O君

中学生のころ,数学は好きでしたか。

勉強ぜんぱんがあまり好きではなかったのですが,数学は理解が積み上がっていく教科であるところが好きでしたね。
暗記をしなくていいし,公式も理解をしながら学習を進めていきました。

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O君

北村さんは,数学の知識を使うパズルもたくさん制作しているので,中学生のころから数学が得意なのかなと思っていました。

実は,初めから算数や数学が理解できたわけではないんです。
私は学生時代,「面白いな」と感じるパズルの本とめぐりあいました。
その本は,算数や数学を使ったパズルの本で,「勉強だと面白くないのに,どうしてパズルだと数学は面白いんだろう」とふしぎに思いましたね。
ですが,この本をきっかけに算数や数学を理解する楽しさを知りました。
中学生のみなさんも,何かをきっかけにして,算数や数学の面白さに気付けるといいなと思います。

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O君

全国の中学生にメッセージをお願いします。

正しい答えを求めることも大切ですが,どのように考えてその答えにたどり着いたかということも,とても大切だと思っています。
答えを求めるまでに多くのまわり道をしたとしても,それがになることはありません。
考えた分だけ,必ずみなさんの力になります。ぜひ,たくさん考えて,解いていく過程を楽しんでもらいたいと思います。

インタビュー
取材レポート

日常生活のなかでも,パズルに使えそうなネタを見つけたら,すかさずメモしているとお話してくださったパズル作家の北村さん。
取材では,ご自身の著書もたくさんしょうかいしてくださり,いろいろなねんれい層の人たちが楽しめるものを作っていらっしゃるんだなと感じました。
だんから論理的に考えてパズルを制作している北村さんに,「証明」のコツをうかがったところ,「証明は,答えまでの道筋が決まっていて,必ずそれをたどらなければいけないものではありません。
あちこちにいろいろな考え方があって,それを見つけ出すのがおもしろいです。その見つけ出す力をつけていってほしいです」とおっしゃっていました。

レポート写真

パズル作家の数学に

チャレンジ

北村さんのつくったパズルを解いてみましょう。


問題1

問題1

正方形の折り紙を折りました。
正しいのはどれですか。


問題2

問題1

タテ,ナナメに連続しているマスの合計は同じになります。
空いているマスを埋めてください。