箱入り台風

シミュレーションでわかる台風の構造

理想的な空間を作って,箱の中で台風を大事に育てました。
台風の研究に使われている映像です。

現実の台風は,海面水温が下がってエネルギー源が不足したり,上陸して地上との摩擦が生じたり,風によって台風の構造が崩れてしまったりしています。

もし,それらがまったくない環境を人為的に作り,大事に台風を育てたらどうなるのかを調べました。

矢印が風向,色が風速を表現しています。

台風の渦は反時計回りで,雲がまとまりながら,その中心は雲のない「台風の目」が見られます。


「台風CTスキャン」の1:40あたりから鉛直断面を切った風速分布を表しています。

風が弱い台風の目,そのまわりには,風が強い壁雲があり,壁雲の強風域は大気下層で風速が最大になっていることがわかります。

台風の3D動画は,Yuqing Wang博士が開発したTCM4シミュレーションの結果をもとに,AVS/Expressで可視化しました。
CTスキャンや粒子追跡など,実際の台風研究に使われている映像です。
教科書「理科の世界2」p.280図13と組み合わせると,より台風の構造の理解が深まると期待しています。
(筆保弘徳)