台風の相互作用

2011年台風15号と16号のふるまい

2011年の台風15号は,台風16号の影響を受けて特異なふるまいをしました。

この台風15号は,同時期に発生した台風16号の影響もあり,南大東島の西の海上で反時計回りの進路をとるなどしばらく留まって(注)発達し,非常に強い台風となりました。

その後,四国の南の海上から紀伊半島に接近し,静岡県浜松市付近に上陸しました。そして,強い勢力を保ったまま東海地方から関東地方,そして東北地方へと進みました。

その結果,西日本から北日本の各地で暴風や記録的な大雨が観測されました。


(注)藤原の効果

2つ以上の台風が接近して存在する場合に,それらが互いの進路に影響を及ぼすことがあります。こうした相互作用を,提唱者の藤原咲平に因んで『藤原の効果』と呼びます。

台風15号は,この藤原の効果の影響もあり,特徴的な進路をとったと考えられます。

台風の3D動画は,気象庁のメソ数値予報とWRFシミュレーションの結果をもとに,AVS/Expressで可視化しました。
風の表現を流線にしてみました。
(山内隆介・筆保弘徳)