食塩や砂糖を水に溶かすだけなら,わざわざ6個もリングをついたものを使うことはありません。
これは,焼酎やウィスキーを水割りするときに,かき混ぜるマドラーなのです。
…え? 水割りだとリングが役に立つの?
それを説明するには,ちょっと水割りを作らないと…
この写真は,ウィスキーに水を加えてかき混ぜたものです。
さぁ,
A,Bどちらのウィスキーが濃いでしょうか?
色のちがいでわかるかと思ったけど…
同じ濃さに見えるね。
このA,Bにマドラーを入れると…
Aのウィスキーのマドラーは,赤,橙,オレンジの3個のリングが浮いています。
それに対して,Bのマドラーは,赤と橙の2個しか浮いていません。
これで,Bの方が濃いことがわかるのです。
えー? 浮いたリングが少ない方が濃いの?
食塩水や砂糖水は,濃い方が浮きやすかったよね?
これは,アルコールの密度は 0.794 g/cm$^3$ と,水の密度 1.0 g/cm$^3$ より小さいからです。
そのため,アルコールが濃いほど密度が小さくなります。
何色のリングが浮いたかによって,すぐに水割りのアルコール度がわかるのが,このマドラーなのです。
ちなみに,Aはオレンジ色まで浮いているので13〜15%,Bは橙色まで浮いているので16〜19%です。
ついでに,ほかの濃さも見てみましょう。
ウィスキーに水を入れて,このマドラーでかき混ぜながら…
今度の濃さはどのくらいかな〜?
などと楽しみながら飲んでいる大人がいるのです。
そんなに「科学」してたら,酔いもさめるのでは?
いえいえ,もともと科学は知的なお遊びなのですから…(~_~;/"