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39 会目

第39会目 What is this?

食塩や砂糖を水に溶かすだけなら,わざわざ6個もリングをついたものを使うことはありません。

これは,焼酎やウィスキーを水割りするときに,かき混ぜるマドラーなのです。

水割り




…え? 水割りだとリングが役に立つの?

それを説明するには,ちょっと水割りを作らないと…

水割り

濃さのちがうウィスキーの水割り

この写真は,ウィスキーに水を加えてかき混ぜたものです。

さぁ,

A,Bどちらのウィスキーが濃いでしょうか?




色のちがいでわかるかと思ったけど…

同じ濃さに見えるね。

このA,Bにマドラーを入れると…


濃さのちがうウィスキーの水割りにマドラーを入れた

Aのウィスキーのマドラーは,赤,橙,オレンジの3個のリングが浮いています。

それに対して,Bのマドラーは,赤と橙の2個しか浮いていません。

これで,Bの方が濃いことがわかるのです。

えー? 浮いたリングが少ない方が濃いの?

食塩水や砂糖水は,濃い方が浮きやすかったよね?

これは,アルコールの密度は 0.794 g/cm$^3$ と,水の密度 1.0 g/cm$^3$ より小さいからです。

そのため,アルコールが濃いほど密度が小さくなります。

何色のリングが浮いたかによって,すぐに水割りのアルコール度がわかるのが,このマドラーなのです。

ちなみに,Aはオレンジ色まで浮いているので13〜15%,Bは橙色まで浮いているので16〜19%です。

ついでに,ほかの濃さも見てみましょう。


リングの色とアルコール度

ウィスキーに水を入れて,このマドラーでかき混ぜながら…

今度の濃さはどのくらいかな〜?

などと楽しみながら飲んでいる大人がいるのです。

そんなに「科学」してたら,酔いもさめるのでは?

いえいえ,もともと科学は知的なお遊びなのですから…(~_~;/"

これからも科学のおもしろ話題をアレコレ紹介していきます。
ただし,何分にもマスターは“頭痛持ち”&“気まぐれ”ですので…その点だけはご容赦を…m(_ _)m