まず,第29会目のあらすじを…
室町時代の太田道灌は旅の途中でにわか雨に遭い,民家に蓑(みの:現在のレインコート)を借りに寄った。
すると,娘が山吹の花を一輪差し出し,
『七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき』
と詠んだ。
つまり,八重咲きの山吹の花には実がならない,ということでした。
![八重咲きの山吹](/science_cafe/035/images/sc035p1_01_sp.png)
マスターは,これに疑問を抱きました。
![八重咲きの山吹](/science_cafe/035/images/sc035p1_01_pc.png)
というのは,ネットで調べていたところ,次のような話を見つけたからです。
「八重咲きの山吹は園芸種に品種改良され,おしべが花弁になり,めしべが退化した…」
平安時代に詠まれた和歌に出てくる八重咲きの山吹が,山吹を「品種改良」したものだなんて…
そこで,花の咲く4月を待っていました。
![山吹|4月27日](/science_cafe/035/images/sc035p1_02_pc.png)
4月27日
4月になると,山吹の咲いている花を探し歩きました。
そして,一重の花と八重の花をいくつかマークし,カメラに撮りました。
まずは,
一重の山吹にはどんな実がなるのかな?
まだかまだかと待ってると…
![一重山吹の実](/science_cafe/035/images/sc035p1_03_pc.png)
6月7日
どうです? かわいい実がなっていました。
直径 3〜4 mm ぐらいの大きさです。
人生長いのですが,山吹の実を見たのはこれが初めてです。
カッターで割ってみると,意外とスーッと切れました。
ということは,まだ種ができていない? それとも,種にはならない? う〜ん,わからん。
とにかく「一重の山吹には,こんな形の実がなるんだな」と脳裏に焼き付けました。