青色には,染め物や伊万里焼の藍色,それに藍銅鉱(らん どう こう)に含まれている濃い青色(群青色)がイメージできます。
ところが,瑠璃色は遠くアフガニスタンの山中にあるラピスラズリ(瑠璃)をもととしていて,また,その石は宝石として貴重なものでした。
瑠璃色は,どこまでも澄みきった天空の青(ラズリの意味)を表し,まさに乾燥した中央アジアや,地中海の抜けるような明るい青を表現するのに用いられたと言われています。
それに対して,日本のような湿潤な気候の青空は,水蒸気のためにいくらか白みを帯びていて,空全体までの瑠璃色をなかなかイメージできないのではないでしょうか?
少なくとも,マスターにとって瑠璃色は異国,西域の色でした。
参考文献:森田恒之「瑠璃考」目黒区美術館1992
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