6月の下旬に,「池にホタルがいました。」と3年生の男の子が私のところにやってきました。見ると,全身黒ずくめで胸の一部分が赤いへイケボタルの成虫が,かわいい手のひらにのっています。私が「よく見つけたね。もうホタルが出てきたんだね。かんさつしたら池に返してあげようね。」と言うと,男の子は「はい。」と元気よく答えて池の方に向かいました。
ヘイケボタルの幼虫は,雨の日に池から上がり,土の中でさなぎになります。成虫になると水を口にするだけで,数日という短い命を終わらせます。成虫の数日の間に結婚(けっこん)をして,水草などにたまごを産みます。
今年学校では,ホタルがたくさん成虫になった7月の中ごろに,2日間「ホタル鑑賞(かんしょう)の夕べ」を行いました。1000人以上の方に優雅(ゆうが)なホタルの光を楽しんでもらいました。大勢のお客様の中に,光を放っているたくさんのホタルをじっとながめているあの男の子のすがたもありました。 |
葛飾区立細田小学校長 浅井正秀
<写真>子どものうでにとまった,ヘイケボタル
写真はラディッシュガーデンのホームページから
お借りしました。
http://www.p-rg.com/n/birds/
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