西洋に,次のような話が古くから伝えられています。
航海中の船の船底に,縦 5 cm,横 13 cm の長方形の穴があいた。
ところがその船には,1辺 8 cm の正方形の板しかなかった。
かしこい船長は,その板を次のように切って並べかえ,
穴を上手にふさいでしまったという。
上の話には,おかしなところがあります。2つの図形の面積を比べると,正方形は 64 cm2,長方形は 65 cm2 で,なぜか 1 cm2 増えています。どうして,このようなことが起きたのでしょうか。
実は,右の図の長方形で,3点 O,P,Q は一直線上にないのです。
このことを,相似の考えを使って説明してみましょう。
O,P,Qが一直線上にあるものとして, △OPRと△OQSに着目すると,
∠ORP=∠OSQ=90°
共通な角だから,∠O=∠O
よって,△OPR∽△OQS
OR:OS=PR:QSだから,8:13=3:5となりますが,これは成り立ちません。
船長が上手に穴をふさいだというのは、
本当だったのかな。