「重いものほど速く落ちる」というアリストテレスの説は,古代ギリシャ以来2000年もの長い間,人々に信じられてきましたが,イタリアの物理学者,天文学者であるガリレイ(1564〜1642)は,その説を実験や観察で打ち破りました。
ガリレイは,軽いものがゆっくり落ちるのは,空気の抵抗によるものと考え,「空気の抵抗を取り除けば,すべての物体は重さに関係なく全く同じ速さで落ちる」という予想を立てました。
この予想をもとにして,ガリレイは,時間が t 秒経過する間に物体が落下する距離を s とすると,s は t の2乗に比例する関数であること,つまり,
s=at ^2
という関係が成り立つことを発見しました。
この数学的な結論を,ガリレイは実験で確かめようとしましたが,物体の落下距離は短時間のうちに急激に変化するので,当時の技術では測定できませんでした。そこで,斜面上を転がる物体の運動を調べ,それと比較することによって確認しました。
ガリレイはほかにも,振り子に関する研究や,
望遠鏡を使った天体の研究などで業績をあげたよ。