20世紀最大の物理学者ともいわれるアインシュタイン(1879〜1955)が「人類最大の発明」と呼んだとされるものが何か知っていますか。それは「複利」と呼ばれる考え方です。
みなさんが銀行などにお金を預けると,利息がつきます。たとえば元金(もともとのお金)として100万円を金利2%(年率)で1年間預けると,1年後には102万円になります。この場合,2万円が元金に対してついた利息です。
次に,2年目について考えてみましょう。利息の2万円も元金にふくめて,102万円を再び金利2%で1年間預けるとすると,その1年後には104万400円になります。このうちの400円は,1年目の利息である2万円に対してついた利息です。このように利息にもまた利息がつくことを複利といいます。
これに対して,利息を元金にふくめないことを単利といいます。単利の場合,2年目も元金は100万円なので,2年目の利息は2万円です。1年目に受け取った利息と合わせると,総額は104万円なので,複利の場合を比べると,1年で400円の差がつきます。
このことを20年くり返すと,次の表のようになります。年数が経つにつれ,差はますます大きくなることがわかります。
単利 | 複利 | |||||
元金 | 利息 | 総額 | 元金 | 利息 | 総額 | |
1年目 | 100 | 20000 | 102 | 100 | 20000 | 102 |
2年目 | 100 | 20000 | 104 | 102 | 20400 | 104 |
3年目 | 100 | 20000 | 106 | 104 | 20808 | 106 |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
19年目 | 100 | 20000 | 138 | 142 | 28565 | 145 |
20年目 | 100 | 20000 | 140 | 145 | 29136 | 148 |
単利 | |||
元金 | 利息 | 総額 | |
1年目 | 100 | 20000 | 102 |
2年目 | 100 | 20000 | 104 |
3年目 | 100 | 20000 | 106 |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
19年目 | 100 | 20000 | 138 |
20年目 | 100 | 20000 | 140 |
複利 | |||
元金 | 利息 | 総額 | |
1年目 | 100 | 20000 | 102 |
2年目 | 102 | 20400 | 104 |
3年目 | 104 | 20808 | 106 |
︙ | ︙ | ︙ | ︙ |
19年目 | 142 | 28565 | 145 |
20年目 | 145 | 29136 | 148 |
お金を借りた場合には,立場が逆になって同じことが起こります。借金の利息にもまた利息がつき,複利で借金が増えてしまいます。
お金は社会生活をする上で,重要なものです。複利のしくみを理解して,お金と上手に付き合うことが大切です。