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自然界の現象とフィボナッチ数

関数 自然

 1202年,イタリアの数学者フィボナッチ(1170?〜1250?)は『算盤の書』のなかで,
次のようなウサギの問題を紹介しました。

ある1つがい(オス,メス1ずつ)の子ウサギがいる。

子ウサギは1か月後,親ウサギに成長する。

親ウサギは,親ウサギになった1か月後から,毎月1つがいの子ウサギを産む。

どのウサギも死なないものとすると,ウサギのつがいの数はどのように増加するか。

 たとえば,最初の月と2か月目は,ウサギは1つがいです。
3か月目には,1つがいの子ウサギが産まれ,2つがいになります。
4か月目にも,1つがいの子ウサギが産まれ,3つがいになります。
このように計算していくと,次のような表ができます。

月数とつがいの数
123456 7
子ウサギ1011235
親ウサギ0112358
合計11235813

 この表を見てみると,1か月前の親ウサギのつがい数と同じ数の子ウサギが次の月に産まれ,
子ウサギが次の月に親ウサギになるため,親ウサギのつがい数は,前の月の合計つがい数と
等しくなります。よって,ある月のウサギの合計つがい数は,2か月前のウサギのつがい数と,
1か月前のウサギのつがい数の和になることがわかります。

 この表で,つがいの数は月の数の関数になっています。つがいの数に現れるそれぞれの数は
「フィボナッチ数」と呼ばれており,自然界でも花びらの枚数などによく現れる数です。

5枚
サクラの花
8枚
コスモスの花
13枚
ツワブキの花

フィボナッチは『算盤の書』で,当時インドで用いられていた
アラビア数字位取り記数法を西洋に初めて持ちんで広めたよ。
このことは,その後のヨーロッパにおいて
数学が発展していく基礎を築いたといわれているよ。

オーくん
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