身近にある放物線

　放物線には，右上の図のように放物線の軸に平行な光や電波などを反射して，軸上の1点に集めるという性質があります。この点を，焦点といいます。
　放物線に焦点があるという性質を利用したものに，パラボラアンテナやパラボラ型ソーラークッカーがあります。
　パラボラアンテナは，衛星などから発信された弱い電波を，放物線をその軸のまわりに回転させてできた面（放物面）で反射させて，電波を1点に集めます。パラボラ（parabola）とは，放物線という意味のことばなのです。
　ソーラークッカーは，太陽光を放物面で1点に集めて熱を発生させ，調理を行う器具です。
電気もガスも薪も使わずに調理できることから，環境や家計に優しく，災害のときの備えにもなります。

　一方，これとは反対に，焦点から発した電波や光は，放物面に反射すると軸と平行に進む性質があり，電波や光を遠くまで送ることができます。
懐中電灯の反射面も放物面でできていて，この性質を利用しています。