関数は,英語でfunction といい,「機能,はたらき」という意味があります。このfunction を数学用語として用いたのは,17世紀のドイツの数学者ライプニッツ(1646〜1716)です。当時は,運動する物体の速度,曲線,体積などを考える必要性から関数が生まれました。
関数の考えは,ヨーロッパから中国に伝わり,そのとき"function"の発音から「函数」という漢字をあてはめて訳されたといわれています。日本には,それがそのまま「函数」という用語で伝わり,現在は「関数」という漢字が使われています。
コンピュータのキーボードでF1,F2 などのキーの名前についている " F "は,このfunction の頭文字です。
関数を機能,はたらきという見方で考えてみましょう。「y は x の関数である」とは,x の値を決めると,対応する y の値がただ1つ決まることです。これを,x の値を入れると,y の値が出てくる「機能,はたらき」(function)と考えるのです。
たとえば,面積が 12 cm2 の長方形の横を x cm,縦を y cm とすると,y=12x という関数になりますが,この関数は,「横の長さを入れると,縦の長さが出てくる」という「機能,はたらき」をもっているといえます。ほかに,「自然数 x を入れると,その自然数の正の約数の個数 y が出てくる」といった機能も,function の例です。このように式で表すのが難しいものも,「関数」なのです。