点字は,目の不自由な人たちが指で触って読む文字です。
右上の図のように,6か所のふくらみの組み合わせによって,文字や数を表します。
この形の点字を発明したのは,フランスのブライユ(1809~1852)です。
ブライユは,まず,6か所のうち上側の4か所(①,②,④,⑤)を使い,次の10種類の組み合わせを考えました。
そして,これをフランス語のアルファベットA〜Jにあてはめ
ました。
● ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ |
● ◯ ● ◯ ◯ ◯ |
● ● ◯ ◯ ◯ ◯ |
● ● ◯ ● ◯ ◯ |
● ◯ ◯ ● ◯ ◯ |
A | B | C | D | E |
---|
● ● ● ◯ ◯ ◯ |
● ● ● ● ◯ ◯ |
● ◯ ● ● ◯ ◯ |
◯ ● ● ◯ ◯ ◯ |
◯ ● ● ● ◯ ◯ |
F | G | H | I | J |
---|
(●がふくらんだ部分を表す。)
● ◯ ◯ ◯ ● ◯ |
K |
---|
ほかのアルファベットは,この10種類に下側の2か所(③,⑥)を付け加えて表します。たとえば,「K」は「A」の点字に③を付け加えたものです。
さて,この10種類の点字は,どのようなしくみでつくられたのでしょうか。
上の「A」のような,ふくらみが1か所だけの点字の場合,ふくらみの位置は,右の4通りが考えられます。しかし,
これらを異なる文字や数として使うと,指で触ったとき,
どこにふくらみがあるかが判別しづらくなってしまいます。
したがって,ふくらみが1か所だけの点字は,1種類だけがよいとわかります。
自らも目が不自由だったブライユは,このように,触ったときに判別しやすいかどうかを
よく考え,現在の点字のしくみをつくりました。ブライユがつくった点字は,現在,世界中で
使われています。
ブライユは,フランスにある目の不自由な人のための
学校の教師をしていたんだよ。16歳のときに,それまでの
12点式の点字を改良し,6点式の点字を考案したよ。