夜空には,いろいろな明るさの無数の星があります。星の明るさの分類をしたのはギリシャの天文学者ヒッパルコス(紀元前190〜紀元前125頃)で,紀元前2世紀のことでした。彼は,肉眼で見える最も明るい星を1等星,最も暗い星を6等星として,その間を2,3,4,5等星としました。
1830年ごろ,イギリスのハーシェルは,星の明るさを調べ,不思議なことを発見しました。6等星の明るさを1とすると,1等星の明るさはそのおよそ100倍になるのです。
このことから,右下の表のように, 1等星は2等星の2.512倍明るく,
2等星は3等星の2.512倍,…というように,約2.51倍ずつ明るくなることがわかります。
● 6等星を 1 とすると,
● 5等星は 1 × 2.512 = 2.51倍
● 4等星は 1 × 2.5122 = 6.31倍
● 3等星は 1 × 2.5123 = 15.85倍
● 2等星は 1 × 2.5124 = 39.82倍
◯ 1等星は 1 × 2.5125 = 100.02倍
やがて,精密な観測ができるようになると,1等星よりも明るい星や6等星よりも暗い星があることがわかりました。それらの明るさを表すには,1から6までの自然数だけでは表せなくなり,負の数や小数も使って等級を表すようになりました。
たとえば,おおいぬ座のシリウスは,-1.5等星です。