日本の伝統的な模様
私たちの身のまわりにはいろいろな幾何学的な模様が使われています。もともとは中国大陸から伝わった模様が生活に取り入れられ，着物の柄や陶磁器，装飾品などにも用いられています。
麻の葉
六角形を基本とする模様です。形が植物の麻の葉に似ていることから名づけられました。麻は丈夫にまっすぐに育つことから，赤ちゃんの産着などにも用いられます。
鱗文
三角形を頂点で組み合わせて配列した模様です。魚や蛇の鱗に似ていることからこの名で呼ばれるようになりました。歌舞伎や能の演目には，主人公が蛇の姿になる場面で鱗文の衣装が使われるものがあります。
矢絣
平行四辺形を組み合わせた模様です。矢羽根の模様を表しています。
弓で射た矢は戻らないことから，「出戻らない」の意味をこめて，江戸時代の嫁入りの支度に，この柄の着物を持たせたといわれています。
