vol.22 - No.23 (2021年3月1日)

立春を過ぎて日照時間がだいぶ長くなりました。1月頃に比べると、日ノ出の時刻も40分ほど早まり、日の入りの時刻も50分ほど遅くなって、外で過ごせる時間がだいぶ増えました。日照時間が長くなることは太陽の南中高度が高まることによって起こります。それに伴って影の長さが短くなり日影が減ります。これらのことなどからだんだん気温が高まり、暖かい春から暑い夏へと変わっていきます。太陽高度が一番低い冬至のころ、横浜では太陽高度はおおよそ30度です。三角定規の一番短い辺を高さとしたとき、底辺の長さにあたる部分が影の長さになります。我が家の南側には5mほどの高さの家があるので、冬至の頃はその家の影は8m50cmほどです。しかし、今は太陽高度が45度を超えたので、三角定規の直角二等辺三角形を思い浮かべれば分かるように、5mの高さの影は5mです。3m50cmも短くなって、庭の日の当たる部分がだいぶ増えました。そんな日の当たり方や日照時間の変化を感じ取って、生き物たちは芽を膨らませたり発芽したり、羽化したり孵化したりと活動し始めます。目に見えない小さな生き物に振り回されている人間のことなど全くお構いなしに、自然はいつも通りの営みを着実に進めていきます。自然とともに何の気兼ねもなく、活動的な生活ができる毎日が1日も早く訪れてほしいものです。

さて今回は、日差しの強さと日照時間の長さが増したことを感じとって、少しずつ緑色に変わっていく芝生の中で、目立つ姿で冬越しをしていたキュウリグサが育つようすを紹介します。