vol.20 - No.21 (2019年2月1日)

暖かくなる前の寒さの峠を迎え、生き物にとっては命に係わる大切な時期となりました。寒さのために命の危険と背中合わせの中に生きるもの。しっかりと寒さを受け止めることによって新しい命のスイッチを入れるもの。新しい1年に向け多くの命が張りつめた時を過ごしています。そんな中、私は今、植物が育つようすを撮影するために、木の種をたくさんまいて発芽するのを待っています。秋に実った40種類ほどの木の種を発芽育苗用の箱にまき、寒さを受けて発芽スイッチが入るのを待っています。強い寒さにあう前から、ネムノキ・アセビ・イヌマキ・キブシは芽を出しました。これから一番寒くなるというときに、トキワサンザシ・サンショウも芽を出しました。寒くても生きていける植物なのでしょう。寒い冬に芽を出してしまっては寒さに耐えることのできない植物たちは、暖かさを感じとることができてからの発芽となります。それぞれの植物がどのような条件で育ち始めるのか、ただ撮影するばかりでなく、それも調べることができたらと思いながら芽を出すのを見守っています。猫や鳥に荒らされないように、他の種が紛れ込んでしまわないように、気をつけながら春まで待つ日が続きます。

さて今回は、横浜で、この寒さの中でも頑張って花を咲かせている、ゼニアオイが育つようすを紹介します。