vol.19 - No.20 (2018年2月15日)

寒い冬、この1月2月に昆虫たちの存在を感じる人は少ないと思います。しかし、よく探してみるとけっこういるものです。日が当たって開いている花には、ヒラタアブなどの小さなアブやハナバチたちが訪れています。草の葉の上で日光浴をするナナホシテントウもよく見かけます。これらの昆虫は意識して目を向けないと見つかりませんが、軒下や背の高い木の下で霞のようにもやもやとうごめく生き物を見かけたことのある人は少なくないでしょう。このもやもやした塊は蚊柱(かばしら)と呼ばれ、その正体はほとんどの場合ユスリカという刺さない蚊のオスの成虫たちです。このユスリカの蚊柱が、私の家の温室では早くも2月の上旬に発生しました。それが、アマガエルの餌として大変重宝しています。小さくてすぐつぶれてしまうという欠点はあるものの、1回捕虫網をふるだけで数十匹の昆虫が手に入るのです。冬越しができるか心配していたアマガエルですが、たくさんの餌を与えることができたので、時折り鳴き声を上げるほどになり、何とか春を迎えることができそうです。アマガエルのようすにひと安心したところで、私もそろそろ春まきの種の準備を始めようかと思い始めています。

さて今回は、寒い冬に石の下に産みつけられた、チャコウラナメクジが育つようすを紹介します。嫌われ者のナメクジですが、それでも赤ちゃんのときはかわいく見えるものです。