vol.19 - No.05 (2017年6月1日)

10年ほど前までは見かけることのなかった植物を、数年前より学校の正門から校舎までの通路で見かけるようになりました。最初は正門のわきに誰かが植えたのかなと思っていたのですが、年を追うごとにぐんぐんと校舎に近づくように増えてきました。今では春になるとオレンジの花を次々と咲かせるようになりました。気にかけて見るようになると、その植物は、街路樹の根元や歩道の植え込みの中、ガードレールの支柱の根元など、いたるところに生えていることに気づきます。町中だけでなく、野原や畑でも見かけるようになりました。その植物の名はナガミノヒナゲシ。花はオレンジ一色で、ヒナゲシ(ポピー)とよく似ています。そのため、多くの人が誰かが植えた園芸種の花と思っているようですが、実は今爆発的に増えている危険外来植物なのです。昆虫ではアカボシゴマダラという蝶が急激に増えているのですが、ナガミノヒナゲシはそれ以上に増え、侵略という言葉がぴったりするほどあちこちで育っています。他の雑草よりちょっときれいな花を咲かせるからといって気を許し、実ができるまでほおっておくとたいへんです。翌年には周り中から芽を出して育ち、他の植物が育つ場所をどんどん奪ってしまいます。見つけたら要注意。庭では育てないほうが良いと思います。

さて今回は、あちこちで見かけるようになったナガミノヒナゲシが育つようすを紹介します。