vol.18 - No.06 (2016年6月15日)

春先にまいたいろいろな種は、ヤマザクラとスズメノエンドウを除いてみな発芽しました。10種類近い種が発芽したので、それらの植物の成長のようすを撮影することができます。ですが、撮影のためには多くの時間と手間がかかります。発芽した芽は、ある程度の大きさになるまで強い風や雨にあてないようにします。そのため温度が上がりすぎないようにした温室で育てます。ところが、そこには小さなハエがたくさん集まってきます。ハエは葉を食べたりはしないのですが、困ったことに葉の上で糞をするのです。そのため、きれいな葉に小さな黒い粒がいくつもついてしまいます。そこで、撮影の前に、水を含ませた小さな筆で葉をこすり糞を取り除きます。そのほか、地面で光る小さな粒も目ざわりな存在です。土の中で光っている粒を一つ一つどけて、ようやく撮影ができるようになります。皆さんにはあまり想像のできないことかもしれませんが、その作業だけで何分も、いや長いときは20分も30分もかかってしまいます。そんな状態ですので、10種類ほどの植物を撮影するだけでも数時間を要します。朝食を終えてから撮影を始め、終わったらお昼になっていたなどということも間々あります。しかし、撮影した画像を子どもたちに見せるときのことを考えると、やらないわけにはいきません。子どもたちは、見せたい部分以外に余計なものが写っていると、すぐそこに目が行ってしまうからです。

さて今回は、アオスジアゲハの3回目です。羽化して飛び回れるようになるまでのようすを紹介します。