vol.12 - No.22 (2011年2月15日)

前にも書いたことがあるのですが、学んだ机上の知識だけをもとにして自然のできごとを考えると、とんでもない思い違いをしてしまうものです。知識から想像することと実際とのずれ、思い込みは危険だなと思います。そんなことを考えるのは、決まってこの2月のとても寒いときです。たとえば、変温動物のカエルは寒い冬には体温が維持できないため冬眠をすると習ったことがあります。そして、ずっと2月に池で見かけることなどないと思っていました。一年で一番寒い2月にカエルが氷の漂う水溜りを泳ぐなんて想像ができませんでした。しかし、実際に観察してみると、カエルたちは1月の下旬から2月の下旬に冬眠から目覚め、オスとメスが互いにもつれ合って産卵をするのです。実際にこうした事実を目の当たりにしてしまうと、学んだ知識と結びつかないことがあります。

今回紹介する我が家のキンカチョウもその例です。卵を抱いてヒナを育てたのは、1月から2月のとても寒いときでした。なぜこの時季なのでしょう。「温度差による卵のガス交換(普通は呼吸といいます)に有利」ということ以外にメリットがあるとは思えません。自然の中には私たちに理解できないことが多々あります。そうした不思議に出あえるような生活を、これからも続けていきたいと思います。