教科書に関する質問などを紹介します。
なぜ,教科書に掲載されているマンガン乾電池の大きさが,単一型から単三型に変わったのでしょうか。
テレビのリモコンなど身近で使われる乾電池は,単三型や単四型が多く,単一型乾電池を見る機会が少なくなってきています。児童が学習内容に対して,実生活と関連付けて実感を伴った理解が図りやすいように,単三型を掲載することとしました。
また,教科書の乾電池は,アルカリ乾電池ではなく,マンガン乾電池です。アルカリ乾電池や充電式電池などは強アルカリ性の液が含まれているので,万一液もれしたとき危険だからです。
なぜ,アルコールランプから実験用ガスこんろに変わったのでしょうか。
アルコールランプを使うより実験用ガスこんろを使ったほうが,加熱時間が短くてすむということがあります。また,扱いが難しく指導に時間のかかるアルコールランプよりも,簡単に操作できる実験用ガスこんろを活用してもよいのではないかという意見もありました。
学習指導要領では「問題解決能力の育成」や「科学的な見方や考え方を養う」などを重視することになっており,そうした活動を保障するために実験を効率よく行うことも必要であると考えました。
なぜ,リットルの表記がℓからLに変わったのでしょうか。
なぜ,「とじこめた空気や水」で,栓にジャガイモを使ったのでしょうか。
ジャガイモを使ったのは気密性が高いからです。また,筒との摩擦が小さいので,閉じ込めた空気に力を加えて離したとき,栓が戻りやすいです。
また,栓をするときも,輪切りにしたジャガイモに筒を突き立てるだけですみます。入手しやすく,安全性も高いです。
ただ,食材を道具として使っていますので,無駄な使い方をしない配慮が必要です。
なぜ,「もののとけ方」で,ホウ酸を使ったのでしょうか。
ホウ酸の溶解度が水100 gに対して,20 ℃で4.8 g,60 ℃で14.8 gと,温度の上昇とともに適度に大きくなっていくため,食塩の溶解のようすと対比するうえで,最適の教材と考えています。
ホウ酸以外ではミョウバン(生ミョウバン)も,この実験に適しています。水100 gに対して,20 ℃で11.4 g,60 ℃で57.4 gと,温度上昇とともに溶解度が非常に大きくなるからです。時間をかければ,教科書p.55にあるような,大きなミョウバンの結晶を作ることも可能です。ただし,ミョウバンを使う場合には次のことに配慮する必要があります。
- 実験に使うミョウバンの量が非常に多くなる。
- 水に溶けにくく,飽和したか判断しにくい。
- 焼きミョウバンを使うと,生ミョウバンが析出する。
そのため,教科書はホウ酸を主体的にとり上げました。(なお,ミョウバンは発展的な扱いとしています。)
ホウ酸の危険性が指摘されることがあります。しかし,理科で扱う薬品はどれも危険性があります。多量に服用すれば,ホウ酸だけでなく,ミョウバンや食塩もとても有害です。
なぜ,「もののとけ方」で試薬を溶かすときの容器を,サンプルびんからビーカーに変えたのでしょうか。
プラスチック製のサンプルびんは,熱が伝わりにくいからです。湯煎の際,サンプルびん内の水温を適当な温度にするためには,湯の温度を高くしなければなりません。児童の扱う温度としての安全性を考え,プラスチックと比べて熱が伝わりやすいビーカーを使用することとしました。
なぜ,「電気の性質とはたらき」の手回し発電機は,低出力(3 V出力)のものを掲載したのでしょうか。
現在流通している手回し発電機には,高出力(12 V)と低出力(3 V)があります。
低出力のものを掲載したのは,小学校でこれまで使ってきた豆電球や発光ダイオードなどの教材をそのまま流用できるからです。
高出力のものを使用すると,従来の豆電球や発光ダイオードなどは破損しやすくなります。高出力のものに対応した豆電球や発光ダイオードなどを準備する必要があります。
なぜ,「電気の性質とはたらき」で電熱線の太さによって発熱量を調べる実験のとき,液晶温度計を使った装置にしたのでしょうか。
温度変化が定量的に調べられるので,電熱線の太さによる発熱量の違いを比較するのが容易だからです。36 ℃程度までしか電熱線を熱しないので火傷などの心配がありません。
なぜ,水の通り道を調べる実験で,食用色素を使うことになったのでしょうか?