3
フィナーレ「いよいよ鑑定だ!」
う〜,やっぱり削るのはもったいな〜い!!
そこで,鏡の側面をよく見てみると…
なんと,鏡面(表側)に,幅 0.3 mm ほどの金色に輝くすじがあるではないか!
ひょっとしたら,この輝いている部分が貼り合わせた2重構造の片面なのでは?
でも,年代物にしては,その部分だけ輝いているのは不自然ですね。
そこで,側面の一部だけを磨いてみると…
側面全体(○部)が輝いていました。
つまり,2重構造は見つかりません。
どうやら,先ほどマスターが表面を鏡面にするまで磨いているときに,側面にはみ出して磨いてしまったようです。
マスター,残念だったね。
でも,でもですね〜
「もっと内側が2重構造になってはいないだろうか!」という疑問が湧いてしまいました。
ただ,これ以上削るとなると,考古学的に禁じ手になり,万一の場合は国宝級?を破損してしまうのでは…と。
心配半分,好奇心半分。
ですが,とうとう後者が勝り,削り込むことにしました。
側面の一端をグラインダーで削り込むと…
断面には,2重構造は見当たりません。
念のため,USB顕微鏡で断面を拡大してみました。
やはり2重構造にはなっていませんね。
【マスターの鑑定?結果】は,
「きれいに磨いた後に,表の鏡面に皇帝の姿の凸部を打ち付けた」
と思います。
(完)